人材派遣の種類にはどのようなものがある?それぞれの働き方の特徴を掴もう!
現代は労働力の確保が難しい時代です。企業では高いスキルを持った労働者を獲得するため、人材派遣の活用が一般的となりました。しかし人材派遣は利用した経験がないと、実情が把握しづらいものではないでしょうか?ここでは人材派遣の具体的な仕組みから働き方の種類、職種について説明します。人材派遣を検討する際の参考にしてください。
人材派遣の具体的な仕組み
人材派遣とは自社に登録しているスタッフの中から、企業に求められている人材を選出し、外部に派遣するシステムです。人材派遣を業種としている会社を「人材派遣会社」と呼んでいます。企業が求める人材と、条件に合うスタッフをマッチングさせるのが、人材派遣会社の仕事です。
人材派遣で働くには、まず人材派遣会社にスタッフとして登録します。人材派遣会社は登録スタッフに対して、それぞれのスキルや条件に合った仕事を探し、紹介します。気に入った仕事があれば、派遣会社は「派遣先企業」と「派遣契約」を結び、登録スタッフは「派遣社員」として、派遣先で指示された労働に従事します。
派遣先企業と派遣社員の間に雇用関係はなく、給与も発生しません。派遣先企業は派遣会社に対して、派遣料金を支払っているので、派遣社員の給与は派遣会社より支給されます。派遣期間は業務内容によってさまざまですが、同一事業所で1人の労働者が、3年以上派遣業務に就くことは認められません。
人材派遣の働き方の種類
人材派遣の区分は3種類あり、派遣会社と登録スタッフとの雇用契約の有無、派遣目的などで分かれます。
■登録型派遣
一般的な人材派遣の形態です。登録したスタッフは、派遣就労の期間に限り、派遣会社に雇用されます。派遣先との契約が決定した時点で、派遣会社と登録スタッフとの雇用契約が成立し、派遣社員となります。派遣先企業での契約が終了すると、派遣会社との雇用契約も切れ、登録スタッフに戻り、次の仕事を待ちます。
雇用契約中は一定の条件(週30時間以上、2か月を超えての就労)を満たせば社会保険も適用されます。就労していない期間は社会保険や福利厚生の適用はなく、給与も支給されません。
■常用型派遣
派遣会社とスタッフが無期限の雇用契約を結んだ形態です。派遣会社の正社員といえます。常時派遣会社に雇用され、マッチングする仕事があれば、派遣先企業へ出向き就労します。
契約終了後も派遣会社との雇用契約は持続し、給与、社会保険、福利厚生などはすべて派遣会社が保証します。常用型の派遣社員は採用が難しく、特殊な資格や高いスキルが必要です。
■紹介予定派遣
将来、派遣先企業に雇用されることを前提に、派遣就労します。派遣契約期間中は派遣会社に雇用され、期間が終了すれば派遣先の社員、契約社員となります。
企業側は試用期間のように、労働者の実力を見極められる、というメリットがあり、派遣社員にとっては将来的に自分が働く職場を理解し、自己アピールするよいチャンスです。しかし派遣先に必ず雇用されるとは限りません。
派遣で働くことができる主な職種
派遣で働ける職種は多岐に渡ります。専門的な職種に限定した派遣会社もあるので、自身のスキルをよく理解した上で、派遣会社を選びましょう。
業種によっては派遣が禁止されているものもあります。派遣禁止業務となっている職種は、港湾運送業務、建築業務、弁護士、司法書士などの士業です。医療職は基本的に派遣禁止ですが、該当する条件によっては派遣就労が可能です。
派遣で働くことができる主な職種は以下の通りです。
■事務系
各企業のオフィスで一般事務や会計事務、営業事務などを担当します。自分の得意分野、前職での経験を活かして就労できる職種です。
■接客
実店舗で販売員、販促イベントのスタッフとして派遣されます。携帯ショップ、家電売り場などは特別なスキルが要求されるので、仕事を見つけやすい職種といえます。
■テレフォンオペレーター
テレフォンオペレーターは会話のプロです。丁寧な言葉使いと完璧な知識が求められます。求人は年々増加しているようです。
■クリエイター
ゲームクリエイターやサウンドクリエイターなど、クリエイティブな活動で自身のスキルとセンスを発揮する仕事です。技術だけでなく斬新なアイディアや鋭い発想力、常に新しいものを吸収する柔軟性がなくてはなりません。
■ITエンジニア
派遣業で多く求められる職種です。システムエンジニア、プログラマー、CADオペレーターなど特殊なスキルが必要となります。自身のスキルアップ、フリーランスとなるまでの準備期間として、派遣会社を選ぶ人もいるようです。
■医師・看護師
医療機関以外の施設であれば医師・看護師の派遣が認められています。有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、保育園などで派遣労働できるようです。医療機関であっても、産休の代替職員や紹介予定派遣であれば就労できます。またへき地、離島で都道府県が必要と認めた病院などに限り、派遣医療職は受け入れ可能です。
人材派遣の種類には3種類あることが分かりました。登録型派遣、常用型派遣、紹介予定派遣の3つですが、それぞれ派遣会社における雇用期間や雇用目的が異なります。人材派遣で働ける職種は数多くあり、企業のニーズと登録者の希望する条件が一致すれば、派遣契約の運びとなるようです。派遣が禁止されている職種もあることを記憶しておきましょう。